「その月明りに花は咲かない」ですが、思ってた以上に反響をもらったので裏話的な事をいくつか書いておこうかと思います。
ネタバレ含みますので、本編をご覧になってから読んでください。(2019,09,23)
まず、動画しか観てない方!
ぜひともスマホマンガ版も読んで欲しいです!
動画で得られる感覚と極力同じモノを感じられるように、いろいろ演出をしているので(でもセリフ変更なし、絵の素材も同じ)比べてください!
あと、FRENZ 2019 2日目深夜の部の作品上映後に物販で販売した、マンガ版(同人誌版)もありますが、こちらは増刷検討中(物理で欲しい人向け)DL版も用意すべきですかね?
で、なぜこんなメディアミックス的な事をしたのかというと、世の中には
「動画って、自分のペースで見られないから嫌なんだよね」
「マンガって読み方がよくわからないんだよね」
「マンガはやっぱりページごとにちゃんと描いてあるモノがいい」
など、いろいろな好みがありますよね。
じゃあ、なるべく多くの人に
同じ物語を、なるべく同じ様に見てもらう、読んでもらうにはどうするか?
って考えて、この形が最適かな?と思ったわけなんです。
FRENZでは以前、コジエズさんが(当時 一番くじ 名義)で、マンガをコマごとに表示していく形の動画を発表したわけですが、似たような手法は広告系のマンガにも以前からあって、fla3も仕事でいくつか作ってました。
ただ、エンタメとして作る発想はしてなかったので
「そうか、こっちでもイケるか」と思い始めたわけです。
それから数年越しに、これが最適と思う作品の形になって作る事になりました。
▼シナリオ制作の発端から、CAFE Marbleメンバー集結まで
FRENZで登壇した時に話しましたが、昨年(2018年)「やがて君になる」のアニメ版を見て百合にひじょーに感銘を受けましてw
その緊張感のある人間関係を描きたい!と思った末に、考え出したのが今回のシナリオの原形。
最初は 咲姫 と 美陽 の物語がぼんやりと浮かんでいたのですが、いつの間にやら 美月 が出てきて今回の作品のシナリオになりました。
これならいけそうだ、というシナリオが固まったのですが
ココで問題が
「fla3さんの絵だと雰囲気出ませんね。あとキャラデザインがダサくなりそうです」
と、本作の監督をつとめる事になる【トコちゃん】に指摘され
「うん、オレもそう思う!」と同意。
さらにBGMもオリジナルが欲しいよね、って事で人を集めなければならない。
で、詳細は長くなるので省きますが、まず【ふじ汰】さんにキャラデザを頼む事になりました。
特に服装に関しては、fla3ではクソダサくなってたのは確実なので、本当に頼めて良かったと思います。
そしてBGMは【NulledZone】さんに依頼。
「時にヌルさん、百合は好きかね?」
「普通に好きですが?」
「ならよし!」
たしかこんな会話で、勧誘を始めたはずですw
作画に関しても、当初は【ふじ汰】さんの予定でしたが、仕事の関係で時間がとれなくなり、そこでお願いしたのが【河村万理】さん。
fla3が仕事でもお世話になっている方なのですが、とても忙しい中協力してもらいました。
キャラデザ、BGM、作画、よかったでしょ?
fla3だけじゃあ、こうはいかなかったw
▼なぜチーム名を、CAFE Marble にしたのか
この作品の当初の仮題が「マーブル」でした。
混ざっているようで溶け合っていない、って関係性を感じられていいかな~?とも思っていたのですが、もう少し分かりやすく、でも意味深な感じが欲しいな…と考えた末に
「その月明りに花は咲かない」
にタイトルが決まりました。
それじゃあチーム名はどうしよう?となった時に、浮いたマーブルを使えばいいのでは? 舞台となる喫茶店の名前がそう言えば決まってなかった! カフェマーブルにしよう! という事で決まりました。
本編中の喫茶店に入るシーンに、ちゃんと CAFE Marble と書いてありますので、お確かめください。
▼声優陣について
fla3が仕事で大変お世話になっている、エイ・クラフトさん、ワイスプロダクションさんの声優さんにお願いすることにして、候補の声優さんのリストとサンプルをいただきました。
その数 十数人!
そんなにですか!?ありがたいけど悩む!
以前から仕事でもお世話になってる方もそうでない人も候補にいたのですが、ココは公平に数日サンプルボイスを何度も聞いて、その末に選んだのが
咲姫:七音俚紅さん
美月:谷川麻依香さん
咲姫役に七音さんを選んだ決め手は、本編動画中の「ところでさ、そろそろ彼氏はできた?」というセリフのイメージに近い、声や口調がサンプルボイスにあった事。
動画本編中では、そこのセリフ以外は思い悩んでいるモノローグしかありませんが、普段の咲姫は周りから、明るく快活なボーイッシュな人と見られています。
人から頼られる事も多いのですが、それを重荷に感じながらも、周りの期待に合わせている女性です。
そこの落差が、本編でよく演じてくれていますのでご注目ください。
美月役に谷川さんを選んだ決め手は、本編動画中の「口癖や仕草もお姉ちゃんに近づけている」というセリフのイメージに近い、声や口調がサンプルボイスにあった事。
本編中のこの部分、注目してほしいんですが、どこか楽しげにも感じる口調が痛々しいと思いません?
咲姫よりもさらに複雑で面倒な子なのですが(笑) その点をしっかり演じてくれていますので、改めてその演技に注目していただければと思います。
▼スペシャルサンクス Re*ryu (海月珈琲) について
動画の最後に【Re*ryu】さんの名前を表示しているのですが、実はシナリオ制作過程において、かなり重要な助言をもらったのです!
本編の、咲姫編、美月編、両方の最後に「コーヒーシュガー」のくだりがありますが、ここ、当初のシナリオでは「角砂糖」を使う描写だったんですが…
トコちゃん「今時の喫茶店で、角砂糖ってあります?」
fla3「そういえば…??」
ご存じの方もいると思いますが、fla3は結構年配のおっさんですし、オシャレな喫茶店に行くような趣味もありません。
これはどこか取材に行くべきか?とも思いましたが
トコちゃん「喫茶店オタクの友人が一名いるじゃないですか」
fla3「【Re*ryu】さんがいた!」
ということで、新作が喫茶店が舞台という事だけ話しつつ聞いてみると、やはりコーヒー専門店で考えると、角砂糖はほとんど見かけないとの事。
これ事前に知らなかったら台無しでした!
その流れで知ったのが「コーヒーシュガー」
溶けるまでに時間がかかるなど、一般的な砂糖とは違う特長を知りました。
そこで閃いたのが、本編の二人の締めのセリフ
咲姫「わたしはいま その甘さを 感じる事ができない」
美月「私はまだ その甘さを 感じることができない」
これで物凄く重要なセリフが生まれました!
本当にスペシャルサンクス!【Re*ryu】さんありがとう!
ほか、録音スタジオのベースオントップ中野サンプラザ店様など、多くの人たちのご協力で完成した
「その月明りに花は咲かない」
FRENZ2019でも、かなりのインパクトを与えることができました。
あそこまでの反応があるとは本当に思いませんでしたw
さて、実はもう一つの展開を用意していまして…
「その月明りに花は咲かない 朗読劇版」
のシナリオを現在進めています。
動画本編より、もう少し掘り下げた内容で、美陽についてもいろいろわかる内容になると思います。
実際に朗読劇版の公演ができるのかは現状未定ですが、なんとか実現したいな~と思います。
「その月明りに花は咲かない」はもうちょっとだけ続く…かも?
■ その月明りに花は咲かない ■
▼制作裏話
本編動画版はコチラ